こんにちは、じっと(@jittoblog)です。
今回ご紹介する施設は、東海地方の施設『田辺温熱保養所』です。
『田辺温熱保養所』と言えば、何と言っても唯一無二の薬草樽蒸し。
圧倒的なビジュアルの樽蒸し風呂が印象的で、以前から気になる施設でした。
普段馴染みのあるサウナと違い、この施設ならではの特徴が随所に散りばめられ、
入浴方法や休憩方法も独特です。
近年メディアやSNSでも数多く取り上げられ、
「かるまる池袋」の蒸サウナのモデルとなった施設として全国のサウナーから
注目が集まる『田辺温熱保養所』の薬草樽蒸し。
では、紹介して行きます。
田辺温熱保養所基本情報
- 薬草樽蒸し 薬草床蒸し
- 営業時間 AM10:00−PM5:00
- 事前予約制 TEL:0584−81−4528 Email:tanabe-onnetsu@outlook.jp
- 営業時間内に店舗へ連絡して予約
- 定休日や営業終了後のお問合せについては、翌営業日に連絡があります。
- 初回のみ3時間半(❶10:00–13:30❷13:30–17:00)で予約。2回目以降は利用時間の制限無し。
- 定休日 毎月5日、15日、25日、26日(別途臨時休業あり)
- 利用料金
- 薬草樽蒸し大人2,000円 子供1,000円
- 薬草床蒸し(90分)4,000円 薬草樽蒸しサービス
- よもぎ蒸し+薬草床蒸し(60分)4,000円 薬草床蒸しサービス
- よもぎ蒸し+薬草床蒸し(90分)4,500円 薬草床蒸しサービス
- リンパマッサージ 3,000円から
- 平日限定(10:00−13:00)薬草樽蒸し貸切あり
- 1名利用10,000円 2名利用14,000円(1名7,000円)3名利用18,000円(1名6,000円)
- 4名以上利用1名5,000円 貸切人数は男女各6名まで
- ご利用人数やご利用時間など相談も可
- 支払方法 現金のみ
- 駐車場 敷地内に20台
- 最寄バス停 万石(名阪近鉄バス岐垣線)より徒歩10分程度 運賃260円
- 最寄駅 JR大垣駅
- タクシー 大垣駅より12程度(約5km)運賃2,000円程度
- ご利用の際の注意点
- 館内着(休憩室で使用)やタオル、バスタオルの貸与は無しなので、各自持参が必要。
- 温かいお茶のサービスはありますが、長時間滞在の場合は軽食や冷たい飲み物などは各自持参がおすすめ。
田辺温熱保養所のロケーション
岐阜県大垣市は「水の都」としても知られ、揖斐川など多くの河川が市内に流れており地下水も豊富な地域となっています。この地下水は大垣市の貴重な水源となっており、地下水を生かした和菓子「水まんじゅう」が有名。古くは繊維産業が盛んな地域だったのも、この豊富な地下水があった大垣市ならではですね。田辺温熱保養所のかけ湯やシャワーの水も地下水を汲み上げ使用しています。
住宅街にあるとても落ち着いた雰囲気の中にある施設です。周辺には道幅が狭い道路もありますので、車で向かわれる際はご注意ください。
田辺温熱保養所ってどんな施設?
田辺温熱保養所は、1946年創業の老舗の温浴施設になります。
この施設は治療を目的とした薬草樽蒸し風呂として始まりました。今でも40年、50年と治療を目的として訪れる方がいたり、アトピーや喘息に悩まれているお子様などが治療に訪れます。近年ではメディアやSNS等で取り上げられる事も増え、治療の目的でなく癒しを求めて訪れるお客様も多くなりました。
田辺温熱保養所は、高さ3mを超える大きな樽の中に立ったまま入る『薬草樽蒸し』と穴の開いた木製のベッドに横になり、体の気になる部分に薬草の蒸気をあてて温める『薬草床蒸し』があります。この施設は治療がメインの施設となっているのでサウナに行けば必ずある水風呂はありません。
「なんだ水風呂がないのか」と思われた方、安心してください。
田辺温熱保養所では、サウナの“ととのい“に匹敵する“極上の癒し“が体験できます。
3代に渡り受け継がれてきた唯一無二の薬草樽蒸しに入れば、
非日常的なゆったりとした時間が流れ、まるで田舎に帰ってきたような感覚が味わえます。
「水風呂がなくてもいいんだ」とサウナーも納得の薬草樽蒸しが
田辺温熱保養所にはあります。
田辺温熱保養所施設案内
エントランス
田辺温熱保養所入口
この暖簾を見ると気分が高まってきます。
暖簾をくぐると天井に自家製ハーブの数々が。施設の雰囲気とマッチしていい感じです。
サインの数々
力士のサインを見た時に「あの樽の入口通れたんだ」と思ってしまいました。
グッズも種類豊富に取り揃えてます。ロゴのデザインなどは息子さんが手掛けているそう。
女将が手掛けた無農薬自家製ハーブが展示されています。
田辺温熱保養所初代が効能などを記した木の板が入口に飾られています。時の流れを感じます。
脱衣所
脱衣所内は鍵付きのロッカーはないので、貴重品の管理は注意しましょう。館内入口に貴重品用のロッカーが用意されています。財布や車のキーなどは預けるようにしておきましょう。
ドライヤーは無料で利用できます。
浴室
薬草樽蒸しの心と体が癒やされる入り方
大垣の地下水を使用したかけ湯、シャワーで毛穴の汚れを落としましょう。
タオルは持って入らず、浴室内のイスに掛けておきましょう。
初めは息苦しく感じる場合もあるので、その時はタオルで口を覆って
樽の中に入りましょう。繰り返し入浴すれば自然と息苦しさは軽減されます。
樽の中は真っ暗なので心を無にして集中できます。
薬草の香りが心と体をリラックスさせてくれます。
自分が熱いと感じた時が出るタイミングです。
体感ですが入浴時間は5分程度だったと思います。
私の場合、腕の辺りが熱くなってきたのを目安に樽から出るようにしましたが、
ここは個人の体調によって調整するようにしましょう。
浴室内か脱衣所のイスで休憩する。
おすすめはかけ湯をせずタオルで汗を拭いて休憩です。
初めはべたっとした汗ですが、繰り返し入るとサラサラな汗になります。
全身に浴びた薬草の蒸気を纏った状態での休憩が気持ちよいです。
この入浴を繰り返すことで、体の芯まで温まるのを感じてきます。
ここで休憩していても体の芯まで熱が伝わっているのが感じられます。
ここでぼーっとしながらの休憩が“癒し“の時間です。
唯一無二の感覚がこの瞬間味わえます。
ゆっくりと時間を掛けて薬草樽蒸しを行うのがポイントです。
サクッと1セットみたいな感じだと田辺温熱保養所の良さを体感出来ないと思います。
短時間ではもったいないので、後に予定を入れることなくのんびり過ごすことをおすすめします。
薬草樽蒸しの入り方をイラストで解りやすく解説してくれてます。脱衣所に用意されています。
薬草樽蒸し風呂
薬草樽蒸しで使用されている樽風呂は、世界三大美樹の高野槙(コウヤマキ)が使用されています。水に強く丈夫なため古くから水桶や橋杭などにも使用される木材です。この樽風呂の寿命は約20年程度で女将さんの代になってから2回入れ替えが行われています。女将さん曰く、この樽風呂を手掛けた職人さんは現在廃業されており、高野槙自体も希少な木材となっており次の入れ替えの時はどうなるかなとの事。そんな中全国的に注目されるサウナ施設「かるまる池袋」の蒸サウナは、田辺温熱保養所の薬草樽蒸しがモデルとなっています。なので次の入れ替えも何とかなるんじゃないかと女将さんはいたって前向き。この樽風呂が末長く続くことを切に願います。
高さ3m程ある樽風呂は、定員3〜4名程度。室内の温度は50℃程ですが、湿度が高いので体感温度はかなり高めです。
薬草樽蒸しに掲示されている注意書き
樽の中が無人の場合は、とびらを少し開けておくのが鉄則です。そうしないと熱すぎて入れなくなります。
その他
かけ湯
天然の地下水を使用しています。
シャワーも天然の地下水を使用。
シャンプーやボディソープは用意されています。
休憩
浴室内気浴と脱衣所半外気浴
樽から出たら汗を拭き取り、好きな場所で休憩を行います。水風呂が無い分この休憩がサウナでいう水風呂と休憩が一つになったような感じがしました。急激に体を冷やす行為はありませんが、イスに座って休んでいるとじわじわととのっていく感じが分かります。繰り返し入浴することでととのいロードはどんどん加速していきます。「水風呂が無いのに」と不思議な感覚になります。浴室に満たされた薬草の香りも相まってリラックスした時間が流れます。
内気浴スペース
樽から出た後は汗をしっかり拭き取り休憩します。
脱衣所半外気浴
窓を開けてイスに座りながら休憩できます。
休憩室(畳の部屋)で休憩
浴室での薬草樽蒸しと休憩を繰り返した後は、この休憩室(畳の部屋)で休憩になります。この休憩でサウナには無いとても新鮮な感覚になりました。ととのった後の“心と体が癒される“何とも言えない感覚です。田辺温熱保養所だから体感できる特別な癒しの時間は、予定を気にせずのんびり過ごせる心のゆとりから生まれます。
部屋の奥に用意されている毛布を取り、自分で休憩する場所を確保しておきます。
ここで体が冷めるまでゆっくりと休憩します。
お茶と木の枕
ここで外を眺めながらのんびり過ごす。とても贅沢な時間です。
薬草床蒸しとよもぎ蒸し
薬草床むしとよもぎ蒸しの特別室
穴のあいた木のベッドに横になりながら気になる部分に直接蒸気をあてます。
この穴の中で薬草やよもぎを蒸すことにより香り際立つ蒸気が発生します。
床蒸しに使用するベッドの穴は用途によって穴の形が微妙に違います。写真一番左の楕円形の穴はよもぎ蒸し用の穴です。
これがよもぎ蒸し用の木のベッド
こんな感じでよもぎ蒸しやるんだよと女将さんが優しくレクチャー。実際は布で体全体が覆われ顔だけが見える状態になります。
女将さんとお話し
田辺温熱保養所は、現在3代目にあたる女将さんが中心となって運営されています。その他にもグッズデザイン担当、SNS担当、お問合せ窓口担当と家族が一つとなって全ての業務が行われています。
女将さんが田辺温熱保養所を運営されて30余年。先代から受け継いだ門外不出の薬草をベースに女将さんが手掛けた自家製無農薬栽培のハーブをブレンドして薬草樽蒸し風呂が完成します。自家製ハーブは季節ごとに内容が変わり、用意されているハーブの中から女将さんがその日の天候や気分に合わせてブレンドするのだそう。訪れる度に違った薬草樽蒸しと出会えるのも田辺温熱保養所の魅力です。
伊吹山麓で採取された薬草と無農薬栽培の自家製ハーブ
薬草の配合などは門外不出。使用されるハーブはユーカリ、ローズマリー、ミント、青紫蘇、レモングラスなど季節ごとに変わります。
創業当初、田辺温熱保養所では伊吹山麓で採取された薬草のみを使用しておりましたが、女将さんの代で自家製の無農薬栽培されたハーブをブレンドするようになりました。時代とともに体に起こる変化も多様化しており、体の疲れだけでなく頭や目の疲れ、あるいは心の疲れなど訪れるお客様の“癒し“のニーズに応える必要があると女将さんは考え、現在の薬草とハーブをブレンドした薬草樽蒸しが完成しました。田辺温熱保養所は、先代より大事にしてきた揺るぎない部分は変えず、時代と共に進化してきました。
現在の田辺温熱保養所を女将さんは、“心と体の癒し“と表現されていました。
エントランスでのお客様のお出迎えから館内のご案内や入浴方法の丁寧な説明にはじまり、薬草樽蒸しを堪能した後、畳の部屋で転びながら休憩していると何気なく始まる女将さんとの会話。温かいお茶を頂きながらのんびり休憩していると、再び体が薬草樽蒸しを求め始める。再び薬草樽蒸しで十分に蒸された後は、時間を気にせず大の字になって畳の上で寝転ぶ。寝転びながらゆっくりと時間が流れていくとき、サウナでいう“ととのい“にも似た“心と体の癒し“で満たされてゆく。女将さんの表現がものすごく腑に落ちました。
女将さんは、田辺温熱保養所を“帰る場所“とも表現されていました。
畳の部屋で寝転びながら休憩していると田舎に帰ってきたような不思議な感覚になり、これも普段馴染みのあるサウナでは味わえない特別な時間となりました。
是非、時間にゆとりを持って“心と体の癒し“を体験しに行ってみてください。
田辺温熱保養所女将の田邊恵さん
女将さんとお話しさせて頂いて、女将さんの考えや空気感も“心と体の癒し“一部なんだと感じました。
女将さんは「お客様を笑顔にできるこの仕事は最高だ」と教えてくれました。心も体も癒され笑顔になって帰るお客様を送り出すたびに、女将さんも癒されてるかも知れませんね。
最後に
今回は、田辺温熱保養所を紹介しました。
今回の訪問はサウナ(水風呂)が苦手な妻も同行しました。
妻はあまりの気持ち良さに薬草樽蒸しにどハマりする程良かったそうで、
入浴1回目からあまみが出て女将さんにびっくりされる程。
体との相性も良かったのでしょう。
次回訪問時は必ずよもぎ蒸しもやると薬草床蒸しにも興味深々です。
男女問わず癒やされること間違いなしの田辺温熱保養所ですが、
サウナに興味があるけど水風呂が苦手な方は、是非体験してもらいたいと思います。
心と体が癒やされる唯一無二の薬草樽蒸しがある田辺温熱保養所、再訪確定の素晴らしい施設です。次は冬の季節に訪れたいと思います。
今回掲載している画像は、田辺温熱保養所様のご協力をいただき撮影したものを使用しております。
最後までお読みいただきありがとうございます。