こんにちは、じっと(@jittoblog)です。
今回紹介する施設は、関西地区の銭湯『朝日温泉』です。
『朝日温泉』は、薪沸かしのお風呂、全ての水に軟水が使用されているこだわりの詰まった銭湯。
100℃のサウナと11℃の水風呂、露天スペースにはととのいスペースもあり、サウナ、水風呂、外気浴の動線もよく、サウナ好きにはたまらない施設となっています。
お風呂好き、サウナ好きなら一度は訪れてみたい『朝日温泉』、
気になった方は是非、覗いてみてください。
では、紹介していきます。
朝日温泉基本情報
- 銭湯
- 営業時間 平日10:00−24:00 土日6:00−24:00
- 年中無休
- 入浴料 大人(高校生以上)520円 中学生380円 小学生200円 幼児100円
- サウナ(貸しバスタオル付き)200円
- 入浴回数カード(10回分)4,700円 サウナ付き入浴回数カード(10回分)6,200円
- シャンプー、ボディソープ、ひげ剃りなどアメニティも販売。
- 駐車場完備12台
- 最寄駅 JR阪和線我孫子町駅より徒歩10分程度
朝日温泉のロケーション
『朝日温泉』がある大阪市住吉区は、「反橋」が観光スポットとして有名な「住吉大社」をはじめとする寺社仏閣のほか、前方後円墳の原型をとどめる「帝塚山古墳」があり歴史深い街です。一方で、緑豊かで住宅街が広がり6本の電車が南北を走っていることで、都心部へのアクセスが非常によく住みやすい街としても人気の高いエリアです。
朝日温泉ってどんな銭湯?
2007年にリニューアルした『朝日温泉』は、コンパクトな浴室ながら脱衣所や露天スペースをガラス張りで仕切ることで、開放的で明るい雰囲気が印象的な銭湯。円形で深めの浴槽の主湯にバイブラバス、マッサージ風呂、フィットネス風呂、電気風呂を隣に配置した特徴的なお風呂を中心に、オートロウリュを完備した対流式サウナと11℃に冷えた深めの水風呂、露天スペースにはととのいイスも完備されたサウナー注目の施設です。日替わりで様々なお湯が楽しめる露天風呂も人気で、お風呂や水風呂、カランやシャワーの水には100%軟水を使用しているこだわりの銭湯です。
朝日温泉施設案内
エントランス
朝日温泉入口
開店直後から入口にはお客様の自転車で一杯になっていました。
下駄箱
長靴、ブーツも収納できる下駄箱を完備。
入口にある掲示物
こども銭湯の案内が掲示されていました。毎月第1、第3日曜日に開催されています。
ロビー
お風呂上がりにのんびりとくつろげるソファーが用意された広々なロビー。
フロント
券売機は無く、直接フロントで支払を行います。アメニティやオリジナルグッズ、駄菓子なども販売しています。現金の他、クレジット、QRコード決済にも対応しています。
ドリンクの種類がかなり豊富な冷蔵庫
脱衣所
男湯入口のれん
脱衣所(男湯)
浴室側の壁がガラス張りになっているので、開放感があり明るい雰囲気です。
ドレッサーとマッサージ機(男湯)
ドライヤーが1台設置されています。
鏡の掲示物(男湯)
回数カードの案内と持ち込みドライヤーについての説明。持ち込みドライヤーを使用する時は事前に声掛け必要です。
洗面台(男湯)
軟水100%の水で飲料水としても利用できます。
自動販売機とレトロなマッサージチェア(男湯)
女湯入口のれん
脱衣所(女湯)
男湯同様にガラス張りの壁により開放感があります。
レトロなマッサージチェアとドレッサー(女湯)
女湯には、備え付けのドライヤーが2台あります。
お風呂
中央にある円形の主湯のすぐ横に4種類のお風呂が配置された浴槽が特徴的なお風呂。温度は40℃〜41℃程の設定。ガラス張りの壁により広々とした空間が演出された浴室の外には露天風呂も完備されています。外気浴が楽しめるスペースが確保されているのは、サウナーにとって嬉しいポイントですね。
バイブラバス(右)と電気風呂
電気風呂はかなり強めだっだので今回も断念。電気風呂が楽しめる男になりたい。
フィットネス風呂(右)とマッサージ風呂
フィットネス風呂はかなりの水圧でとても気持ちがいいです。一段深くなっているので、入る時は足元注意。
洗い場
100%軟水の洗い場。
露天風呂
日替わりのお風呂楽しめます。現在は、15、6種類のお風呂が楽しめるそうですが将来的には30種類で1ヶ月毎日違うお風呂になるそうです。楽しみですね。
本日の湯
露天風呂の壁に日替わり風呂のスケジュールが掲示されています。
サウナ
対流式のサウナ室内は、2段のベンチで10人程が入れる広さ。訪問時は男湯100℃、女湯94℃で熱さもしっかり確保されたサウナですが、更にオートロウリュにより絶妙な湿度もプラスされ、1セット目から玉のような汗が流れるサウナーにはたまらないセッティングとなっています。室内には砂時計(5分)も設置されています。また、『朝日温泉』のサウナは、月、火曜日を除く毎日アウフグースイベントが開催されています。SNSで告知もされていますので、気になる方は要チェックです。
サウナ入口
入口付近にはサウナ用の貸しバスタオルやサウナハットを掛けるフックが用意されています。
サウナ室内(男湯)
TVモニター音声ありの室内。タオル地マットの下にはクッションマットが敷かれているので座り心地抜群。ちょっとした心遣いが嬉しいですね。
オートロウリュ完備のサウナ室
男湯、女湯共にオートロウリュが設置されていますので、熱いだけでなく程よい湿度が保たれています。温度と湿度のバランスが素晴らしいサウナです。
温度計(男湯)
100℃を指していましたが、お客様の出入りによって変動しますが、大体98℃くらいで落ち着いていました。
サウナ室(女湯)
基本男湯のサウナと同じ設計になっています。
温度計(女湯)
男湯側より少し低めの温度設定ですが、それでも94℃を指しています。熱々のサウナです。
水風呂
水風呂は2人が入れる程の大きさ。深さがあるのでほど良い水圧を感じなら楽しめます。通常11℃の水温は肌を刺激するような冷たさに感じますが、これが100%軟水の効果なのか、想像以上に肌あたりもよく11℃の水温に感じないくらい気持ちの良い水風呂です。さすがに1分近く入ると手足の先がジンジンするので、長く入るお客様も少なく高回転で入浴が可能。サウナ→水風呂→休憩を自分のペースで楽しめます。
キンキンに冷えた水風呂
軟水110%の水風呂は11℃でもマイルドな肌さわり。深めの水風呂はやっぱり気持ちがいいですね。女湯側も同じ設計になっています。
水風呂横に設置されているシャワー
サウナ後の汗をしっかり流せるので、あると嬉しい設備。女湯側にも完備されています。
休憩
露天スペースのところに水風呂があるので、休憩までの動線がとても良いです。限られたスペースなのでととのいイスは2脚のみですが、外気浴が楽しめる露天スペースはサウナーには最高の空間ですね。
水風呂横のととのいイス
露天スペースに2脚設置されています。女湯も同様に設置されています。
露天スペースにある風景画
銭湯に関わっている方の多くが北陸にルーツがあることを改めて実感。
その他
朝日温泉の無料駐車場
徒歩10秒程の距離にある専用駐車場。
朝日食堂
朝日温泉の目の前にある居酒屋。この建物の隣にも駐車場があります。
コインランドリー
ご近所の方に配慮して利用できるのは銭湯の営業時間と同じ24時まで。
湯沸かし用の薪
冬の時期には、これくらいの薪が1週間ほどでなくなるのだそうです。毎日あったかいお風呂を沸かしてくれている施設の方に感謝ですね。
銭湯の裏側を覗かせていただく貴重な体験ができました。銭湯経営のリアルを知り、今後も施設の方へのリスペクトの気持ちを忘れずお風呂とサウナを楽しみたいと思います。
煙突を下から覗いた風景
これも普段ではお目にかかれない風景。
こども銭湯タオルとステッカー
売上金が全てこども銭湯の運営に使われるそうなので微力ながら協力させて頂きました。タオルのイラストは1枚1枚3代目が手刷りで仕上げています。
こども銭湯の紙芝居
主人公の湯者(ゆーしゃ)が銭湯マスターにレベルアップしていく物語。入浴前に紙芝居を使って銭湯のマナーを学びます。
3代目とお話し
昭和35年に現在の大阪市住吉区で開業した『朝日温泉』は、おそらく大正時代に創業した「角形湯」をルーツに持つ100年近い歴史のある老舗の銭湯。おそらくと言われる理由は、創業当時の資料が昭和20年の空襲により焼けてしまい残っていないからだそう。奇跡的に残っていた資料では、昭和4年に初代が協会の理事を務めていたことが記されており、創業はそれ以前ではと推測され大正時代に創業した可能性が高いと考えられています。とても歴史のある銭湯なんですね。
昭和20年の空襲をきっかけに、初代は大阪を離れ田舎である石川県への疎開を余儀なくされました。昭和26年に再度大阪に戻ることができましたが、現在の本庄公園あたりで営業していた「角形湯」は空襲により残念ながら焼けてしまい残っていませんでした。その後、現在の住吉区で建て売りされていた銭湯で営業を再開するきっかけを掴み『朝日温泉』を開業しました。開業からすでに60年以上の歴史がある『朝日温泉』も現在は3代目のご主人が引き継ぎ日々営業されています。
今では『朝日温泉』の経営に携わっている3代目も引き継ぐ当時は非常に苦労されたそう。物心がついた時から銭湯が身近にあった3代目は、将来は自分も銭湯を経営するものと普通に考えていましたが、2代目である父と母は銭湯を継ぐことに大反対でした。時代の流れで徐々に厳しい商売になりつつあった銭湯経営を息子に継がせて辛い思いをさせたくないのが一番の理由だったそうですが、それでも銭湯が好きな3代目はどうにかして銭湯を継ぐことを日々考えていました。そんなある時に3代目の母が病で倒れ、『朝日温泉』の営業は2代目の父だけの状況に陥ります。
高校卒業後、建設業で働いていた3代目は当時23歳でしたが、母の病がきっかけで『朝日温泉』の手伝いを銭湯経営に反対だった父からお願いされることになります。急遽、銭湯の手伝いをすることになった3代目が手伝う期間は5年。5年後には廃業するつもりでいた2代目でしたが、銭湯を継ぐチャンスが来たと感じた3代目は、手伝いをしながらも銭湯経営を学び2代目を説得する毎日。風呂屋を継ぎたい3代目の気持ちを知ったの同業者の2代目の友人も行きつけの寿司屋で食事をしては「こんだけ言うてるんやから継がせたれ」と説得。それだけでなく、その友人は3代目に対しても「本気で継ぐなら改装の見積もり出してみろ、それでも本気で銭湯やってみたいか考えてみろ」とアドバイスされていたそうです。
実際に見積もりを依頼して、提案された図面から手を加え修正すること7回程。理想の浴室が完成しましたが改修費用もどんどん膨れ上がっていました。見積もり金額の大きさよりも銭湯をやりたい気持ちが勝っていた3代目でしたが、同時に銭湯を手伝うだけでは正直暇でつまらないと限界を感じていました。現状を変えたい3代目は2代目に対して、「手伝うにしても5年後まで気持ちが持たない」と訴え、当時奥様もいて銭湯経営に必要な女手が家族にいるなどタイミングが運良く重なったことで、晴れて25歳の時に『朝日温泉』を継ぐことが決まりました。
『朝日温泉』を継いだタイミングで行われた2007年12月のリニューアルを機に、現在の年中無休の営業スタイルに変更し、新たに『朝日温泉』の経営をスタートさせた3代目。せっかく多額の費用をかけてリニューアルを行った銭湯をお風呂だけで使うのは勿体無いと考え、「楽しいことは何でもやる」精神で銭湯の可能性を広げるべく、キューバ音楽のライブの開催などイベントを積極的に行ってきました。その後も普段銭湯に馴染みがない方にも銭湯を知ってもらう機会を増やすべきだと考えた3代目は、「銭湯でやると怒られることを競技にする」をコンセプトに生まれた「オフロンピック」を開催し、桶タワー積みや桶カーリングなど大人も子供も楽しめるイベントとして大変盛り上がりました。また、900人規模の会場で近隣の銭湯を紹介、のれんで作った迷路が楽しめたり、牛乳石鹸の型抜きが楽しめるブースなどを集めた「すみよし湯ズニーランド」を開催し、数多くのメディアから注目を集めるイベントとなりました。当初は、集客をメインに考え行われてきたイベントの数々でしたが、近年はイベント開催の頻度を減らしているそう。現在は、子供たちに銭湯の魅力を伝え、銭湯を後世に繋げる取り組みとして「こども銭湯」のイベントをメインに毎月2回実施しています。
2018年2月から始まった「こども銭湯」は毎月第1、第3日曜日に開催され、子どもたちに銭湯を学ぶ場と位置付け、入浴前には紙芝居を使ってお風呂のマナーを学んでもらったり、子どもたちが無料でお風呂には入れるのは、大人たちの協力があることを知ってもらう、お互い様の気持ちを醸成するイベントとなっています。過去には40人弱の子供が集まり、延べ1900人以上の子ども達が参加した「こども銭湯」ですが、毎月第1日曜日はお菓子作りが体験できるイベントにパワーアップしているのだそう。定員20名で要予約なので、気になる方は『朝日温泉』のX(旧Twitter)かInstagramをチェックしてみてください。
常連のお客様から「また明日」と言われる時が銭湯をやっていて最高の瞬間だと感じる3代目。10年後も今と変わらないスタイルで営業を続けることが大切だと考える3代目ですが、現状を維持するだけでなく、銭湯の可能性を広げるコミュニケーションの新たな場として『朝日温泉』の目の前に居酒屋「朝日食堂」を2021年にオープンしました。今後は、居酒屋としてのコミュニケーションの場だけでなく、「朝日食堂」で行う子ども向けの食育と「こども銭湯」を融合してみんなで子どもを育てる場が出来ればと、3代目は『朝日温泉』の未来を見据えています。
今後も『朝日温泉』の進化から目が離せませんね。
朝日温泉3代目の田丸さん
2代目の影響で小さい頃からキューバ音楽に触れていた3代目も根っからのキューバ好き。キューバ音楽のライブイベントを開催するだけでなく、本場の音楽とお酒を求めて過去3度もキューバに足を運んだそう。「日本で一番CUBAに近い風呂」の意味が理解できました。
最後に
今回は、『朝日温泉』を紹介しました。
温度と湿度のバランスが最高なサウナとキンキンの水風呂、露天スペースで外気浴が楽しめる
『朝日温泉』は、銭湯好きだけでなくサウナーも大満足、最高の癒しスポットでした。
施設内はどこも清潔感に溢れており、気持ちの良い空間が広がっています。
子供たちに銭湯の魅力を伝え、後世につなぐ素晴らしい取り組みをされている『朝日温泉』は、
再訪確定の素晴らしい施設です。
今回掲載している画像は、朝日温泉様のご協力により撮影したものを使用しております。
最後までお読みいただきありがとうございます。